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世界のサソリ

アメリカ国内で最も一般的なサソリ

ストライプバークスコーピオン Centruroides vittatus (Say, 1821)


作者 Clinton & Charles Robertson
from RAF Lakenheath, UK & San Marcos, TX, USA & UK [CC BY 2.0]

英名:Striped bark scorpion、Common striped scorpion
科名:キョクトウサソリ科 (Buthidae)
分布:アメリカ合衆国 (アーカンソー州、コロラド州、イリノイ州、カンザス州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ネブラスカ州、ニューメキシコ州、オクラホマ州、テキサス州、人為分布:アイオワ州、アリゾナ州、カリフォルニア州、ノースカロライナ州、テネシー州)、メキシコ (チワワ州、コアウイラ州、ヌエボ・レオン州、タマウリパス州、サカテカス州)*1*2
体長:約60mm*3


(ストライプバークスコーピオンの分布)

中体背側に縦方向に2本の線 (ストライプ) が入ることが特徴のサソリです。
元々の分布域はテキサス周辺のようですが、人為的に移入された地域も含め、アメリカ合衆国内に生息するサソリの中では最も広く分布している種と考えられています。そのため、最もよく見られる一般的な (common) サソリと言われています。

その広い分布域を裏付けるかのように、砂漠、落葉樹林・松林、草原、岩場、渓谷、火山性の丘陵地 (volcanic hills)、家屋内など様々な環境に生息しています*2。標高にすると、海抜0メートル地点から、1,800~2,340メートルに及ぶ山岳地域まで幅広く分布し*2、氷点下になる冬の時期でも耐えることができるそうです*3

ストライプバークスコーピオンは徘徊性のサソリで巣穴を掘ることはなく、夜行性で、昼間は岩の割れ目、樹皮下や倒木の中、ユッカ属植物 (yucca) の下、牛糞中、ゴミの中*2などの物陰に隠れています。また、植物上に登ることでも有名です。

Centruroides属は北米から南米にかけて広く分布している属ですが、各種内で形態的な多様性が見られるそうです。
ストライプバークスコーピオンも体色に多様性があり、もともと別の3種のサソリとして記載されていましたが、現在は同一の種とされています*4。→体色の薄いストライプバークスコーピオン (外部サイト)

毒は強くなく、刺された箇所が腫れて痛む程度ですが、刺された箇所や顔・舌が痺れることがあり、アナフィラキシーショックを起こす場合もあるそうです*5

出典

*1 Fet, V., WD. Sissom, G. Lowe, and ME. Braunwalder (2000) Catalog of the scorpions of the world (1758-1998), The New York Entomological Society, New York.
Marshall Digital Scholar より閲覧可

*2 Shelley, RM. and WD. Sissom (1995) Distributions of the scorpions Centruroides vittatus (Say) and Centruroides hentzi (Banks) in the United States and Mexico (Scorpiones, Buthidae), The Journal of Arachnology, 23(2):100-110.
American Arachnological Societyウェブサイトより閲覧可

*3 Anton, TG. (1996) Current distribution of the common striped scorpion (Centruroides vittatus) in Illinois, Final Report: Division of Natural Heritage, Illinois Department of Natural Resources, Nongame Wildlife Contract 96-011.
Illinois DNRウェブサイトより閲覧可

*4 Yamashita, T. and DD. Rhoads (2013) Species delimitation and morphological divergence in the scorpion Centruroides vittatus (Say, 1821): insights from phylogeography, PLoS ONE, 8(7):e68282.
PLOSウェブサイトより閲覧可

*5 Demain, JG. and DW. Goetz (1995) Immediate, late, and delayed skin test responses to Centruroides vittatus, The Journal of Allergy and Clinical Immunology, 95(1):135-137.
The Journal of Allergy and Clinical Immunologyウェブサイトより閲覧可

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